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見えない者の外出③(白杖)


 視覚障害者が外を歩く際に、携帯している“白杖”は、見えないい眼の代わりとなる“第二の眼”の様なものです。路面を突いたり、滑らせることで、杖から伝わる感覚により、段差や路面の凹凸、障害物の有無などの路面状況を判断します。また、路面や床面をつついて音を聴き分けることでも路面状況(舗装道路なのか、土やぬかるみなのかや積雪時には、圧雪かアイスバーンなのか、など、)の判別をしています。
 そして、白い杖を持つことで、自らが「目が見えていない」、「見えにくい」と、いうことを周囲の通行者に知らせ、注意を喚起させるという意味も持っています。
 つまりは、白杖は、視覚障害者にとっての“第二の目”であり、“命綱”でもあります。

★白杖を持つ者とは、★

 視覚障害者の白杖の携帯については、道路交通法第14条において、「目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。」と、定められています。

 ここでのポイントは、まず「目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む)。」と、あることです。[白杖=盲人(見えない者)]ではないということです。いわゆる、弱視の者も白杖を持たなければならないこととなっています。
 しかし、実際には、必要性を感じないということや、荷物になって煩わしいということで、弱視の多くのものは、白杖を持つことがあまりありません。
 夜盲症などでは、昼間は、白杖を使わなくても、暗くなってからの外出では、白杖を使う必要があります。また、弱視の者の中には、その日の天候や体調によって見えずらくなるということもあり、白杖を使っていたり、使っていなかったりします。
 このように、白杖は、全盲のためだけではなく、見えにくいという者も白杖を使っています。

 まれにではありますが、弱視の者が、白杖を突いて歩いているところを見て、「見えているのに、見えないふりをしている。」などと、その者に対して疑念を抱かれるということがあります。これは、大きな間違いです。弱視(ロービジョン)についての理解が無いということは、見えにくいものにとっては非常に住みにくい社会になってしまいます。
(ロービジョンについては、カテゴリー[④ロービジョンについて]をご覧ください)

★歩行者や自転車の方へのお願い★
 白杖を持って歩いている人を見かけたら、まずは、気をかけて見守ってください。道路から、はみ出しそうになっていたり、何かに突き当ってしまっていたり、困っているようであれば、「何かお手伝いしましょうか?」などと、声をかけてください。
 皆さんの、腕や肩を貸していただければとても助かります。(いきなり白杖を持っている人の腕を引っ張ったり後ろから肩を押すような案内はやめてください。)
 ただし、明らかに危険だと判断されたときは、躊躇なく「危ない!」と、叫ぶだけでなく、腕や体を引き寄せるなどしてください。

 また、私たち視覚障害者に対してだけではありませんが、歩きスマホは、お互いにとても危険です。絶対にやめてください。

 そして、私たちは、前からくる人や自転車も見えていません。特に自転車が勢いよく近寄りすれ違われることには、恐怖も感じています。

★白杖SOS★
 視覚障害者が外出時に目的地の場所がわからなくなったり、自分のいる場所の位置関係を見失ってしまったような際に、白杖を頭上50cmほどに挙げて周囲に困っていることをアピールするサインとして考案されています。
 これは、1977年に福岡県盲人協会によって提唱されたそうです。困ったときのアピール方法として推奨されてきていますが、私たち視覚障害当事者にも、かならずしも完全には、浸透していません。
 そのため、この“白杖SOS”だけが独り歩きしてしまうと、このサインを出していない白杖ユーザーには、気をかけなくてもよい、という風潮にならないか懸念する声もあります。
 なので、サインを出しているか、出していないかに関わらず、皆さんの温かい見守りと、お声掛けが、何より必要だと私たちは、感じています。

★白杖(盲人用安全杖)は、福祉用具の補装具として、支給を受けることができます。対象者は、視覚障害の身体障害者手帳を交付された方すべてです。(本人の所得額や、その世帯の所得により、支給の対象とならない場合があります。)支給についての問い合わせは、市役所の福祉課へ、
 また、どのような白杖を使えばよいのか?、どのように使うのか?(歩行訓練)などの問い合わせは、東京都盲人福祉協会にお問い合わせください。
 府中視協(都盲協、府中支部として)の方でも取次をしています。

補装具についての問い合わせ先:
府中市役所 障害者福祉課
電話:042-335-4162
ファックス:042-368-6126

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 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

 私たち府中視協は、日々の活動を通して“障害が有る無しに関わらず、誰もがいつまでも安心して暮らし続けられるまちづくり”を、市民の皆様とともに、進めてゆきたいと思っています。
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