記事一覧

ダイバーシティマネジメント


 昨今、企業経営などにおいて、ダイバーシティに取り組んで、売り上げや企業の発展に貢献させるということをよく耳にします。
 ダイバーシティとは、多様性を取り入れて、様々な柔軟性のある発想を生かすということです。多様性とは、国籍や、人種、宗教間など、色々な価値観の違い、また、女性活躍という面からも注目されてきています。こうした多様性の中には、障害者の多様性も含まれるものだと思います。
 多様性の受け入れとは、単に女性活躍や、障害者雇用による役割分担ということにとどまるものではありません。それぞれの多様性の価値観を企業経営や、商品開発、サービス提供に反映させることでマネジメントとして成立してゆくものです。

以下の引用記事の「外国人」、「農村出身者」、「少数派」などを「障害者」と読み替えると、障害者におけるダイバーシティのイメージをわかりやすくできるかと思います。



「少数派が発言する組織が本質的に強い理由」-[東洋経済オンラインの記事(2017/3/29)から]

<ここから引用>
昨年からダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについて、無償で研修やセミナーの形で提供し、注目を集めるP&Gジャパン。日本での取り組みは25年にもなり、昨今、女性活躍の取り組みをスタートした多くの企業が直面する課題にもいち早く向き合ってきた歴史がある。
前回記事では、女性活躍に詳しいジャーナリストの治部れんげ氏が、同社ヒューマンリソーシス アソシエイトディレクターの臼田美樹氏にダイバーシティの取り組みの実際について聞いた。続く今回の記事では、アフリカなど世界各国でダイバーシティを経営課題として取り組んできたスタニスラブ・べセラ社長に話を聞く。

■イノベーティブは「違い」が生み出す

 ――ダイバーシティは経営課題というお考えです。なぜですか。

 従業員のダイバーシティが重要な理由は、何といっても多様な発想を生かすことができるため、です。いくつか例を挙げてお話ししていきましょう。まずは日本市場における外国人社員の発想が生かされた例です。

 「ファブリーズ」という製品があります。室内のにおいを取り、いい香りにする製品です。日本市場では「玄関置き」のファブリーズのアイデアが生まれてヒットしました。当社では消費者のご家庭を訪問し、潜在ニーズを探る試みの蓄積があります。あるとき、外国籍の社員が、日本のご家庭を訪問させていただきました。ドアを開けてまず驚いたのは、靴を脱ぐことです。

 私の故郷・チェコでも玄関で靴を脱ぎますが、米国など他国では通常、靴を履いたまま家に入ります。違う慣習に触れたことで、気づいたのは「脱いだ靴が発する独特の匂いを取り、いい香りを玄関に漂わせる、というニーズが日本にあるかもしれない」ということでした。これは玄関で靴を脱ぐのは当たり前と思っている人は気づかなかったかもしれません。「違い」が生み出すイノベーティブな発想の一例といえます。
調査レポートからはわからない「事実」を知るには

 ――べセラ社長は日本に赴任する前に、米・欧・アフリカなどさまざまな国でビジネスを経験しています。

 はい。中でも面白かったのが、アフリカ・ナイジェリアでの経験でした。この国は人口が都市に集中しており、全人口1億7000万人のうち、2000万人弱が都市部に住んでいます。企業の収益も8割は都市で生み出される、といわれていました。ですから、私たちは当初、都市部に集中して事業を展開しようとしました。ところが、それは間違いだったのです。

 メディアや調査レポートからはわからない「事実」を知っていたのは、農村部出身の社員でした。ある会議に、ナイジェリアの農村部出身の従業員が参加しました。彼の話によると、皆、都市でおカネを稼いで田舎に送金している、というのです。だから、消費は都市でなく田舎で行われるのだ、と。

 今「え!」という顔をなさいましたね。「そんなこと、考えてもみなかった」と思ったでしょう。この話を聞いたとき、会議に参加していた人は皆、同じように思ったのです。そして、その農村出身の従業員の見立ては正しかった。私は彼に「話してくれて、ありがとう」とお礼を言いました。

 都市にある大きな企業で働いていると、通常は都市部出身者がよく発言して、農村出身者は部屋の隅で話を聞くだけになることが多いのです。それでは、会議の参加者に多様性があっても多様性が生かされた状態にはなりません。ですから、マネジャーは「部屋の中で最もおとなしい人の意見を聞きなさい」というのがP&Gでの常識になっています。そこにこそ、新しいイノベーションにつながる発想が眠っているからです。

■少数派がその特性を生かせないなら意味がない

 ――とても面白い実例だと思います。単に属性が違う人が「いる」だけでなく、その違いが「生かされる」必要がある、ということですね。

 そのとおりです。大事なのは、単に「多様な人が集まっている」だけではダメということです。集まっているだけで、少数派が意見を言えずにその特性を生かせないなら、意味がないからです。

 もう1つ、海外の事例を紹介させてください。私が勤務した南アフリカでの出来事です。国の人種隔離政策により、アフリカ系黒人やインド系の人々が差別されてきました。

 近年は政策が変わり、さまざまな人種が一緒に働くようになりました。でも、黒人やインド系の人たちが、皆、白人のように振る舞ってしまうのでは意味がありません。それでは、多様性を生かすことはできません。それぞれの人が、自分の持つ文化や宗教ゆえの視点を、意見を述べることによって生かせることこそが、ダイバーシティの意義だからです。

 そして、それは簡単なことではありません。だからこそ、ダイバーシティだけでなく「インクルージョン」が重要なのです。P&Gジャパンでは「インクルージョン」を「受容と活用」と翻訳しています。インクルージョンを進めることで、その人がその人らしくあることに尊敬を払うようになります。自分らしくあることを尊重されたとき、人は恐れずに自分の意見を言うことができるのです。
-(後略)-

<引用ここまで>出展:「少数派が発言する組織」が強い本質的な理由 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース



 このように、ダイバーシティマネジメントは、障害者の雇用という面からは、それを後押しする考え方になります。
 また、民間企業の経営ということだけでなく、行政による福祉政策の立案やその実施、市民協働による市民参加型のまちづくりにおいても、ダイバーシティマネジメントが重要
になることだろうと思います。

 そして、多様性が自然に受け入れられるようになれば、ノーマライゼーション社会の実現や、合理的配慮をなにも意識せずとも提供できるようになり、障害者差別ということをわざわざ訴える必要のない世の中になるのだろうと思っています。

<ブログ内関連記事>
ノーマライゼーション
合理的配慮

関連記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

fuchushikaku183

Author:fuchushikaku183
ヘルプカード(画像)

 私たちは、東京都府中市内に在住する、目が見えない、見えにくいという障害を持つ当事者とその家族、そして、様々なサポートをしていただいている方々で活動をしています。
 市内には、およそ500人余りの視覚障害者がいるとされています、その他にも、障害未満の“ロービジョン”の方々を含めると、その数はさらに増えることとなります。府中視覚障害者福祉協会(府中視協)は、府中市内で生活する、視覚障害者のQOL(quality  of life:生活の質)の向上と、障害への理解を深めていただくための活動、及び、障害を持つ当事者とその家族の親睦を図り、日常生活での悩みや困りごとを共有して、その解決を図るために会員相互で協力し合い、共助では、補いきれないようなことについては、市政や福祉に働きかけて私たちの暮らしに反映させてゆくことをモットーにしています。

 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

 私たち府中視協は、日々の活動を通して“障害が有る無しに関わらず、誰もがいつまでも安心して暮らし続けられるまちづくり”を、市民の皆様とともに、進めてゆきたいと思っています。
 もし、あなたの身近に、目が見えにくい、見えないことで悩んだり、困っているような方がいらっしゃいましたら、お声掛けをしていただき、私たち府中視協のことをお伝えください、また、私達とともに活動をしてみませんか?

 府中視協では、障害当事者やそのご家族で会員として一緒に活動したい方、ならびに一緒に活動を手伝っていただけるボランティアさんを募っています。
 バス旅行や、市内の歴史散策、盲卓球体験会など親睦行事のほか、視覚障害の理解をより深めるための講演会や、日常生活をより便利にするための講習会などを行っています。

 このブログでは、こうした活動の報告や、視覚障害をより知っていただけるような記事を綴ってゆきたいと思っています。