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7.防災対策の地域の課題を整理してゆく

★府中市で想定されている災害とは★
 府中市役所の防災関連情報によると、府中市内で想定される災害として、東日本大震災以降リスクが高まっているといわれる、首都直下型地震(立川断層帯の活動)の他に、台風や豪雨による、多摩川の氾濫が想定されています。また、急傾斜地などでは、がけ崩れなどの危険個所もあり、対策が進められています。

1.
 立川断層帯は、埼玉県飯能市から、東京都青梅市、東村山市、立川市を経て府中市に至る、名栗断層と、立川断層で構成される約33㎞の断層帯です。
 政府地震調査委員会によると、立川断層帯で想定される地震の規模は、さいだいでM(マグニチュード)7.3、最大震度6強と予想しています。地震発生確率は、30年以内が0.5%から2%、50年以内が0.8%から4%、100年以内が2%から7%と言われています。国内の活断層としての相対的評価としては、やや高い発生確率に分類されています。ただし、立川断層帯については、まだ不明な点も多いため、不確実な点も多いということです。
 いつどこで大地震が発生するかは、誰もわかりません。日ごろからの備えが最も必要なことであるといえます。

2.
 府中市の南部には、府中の自然と憩いのシンボルともいえる、多摩川が流れています。しかし、普段の豊かな流れも、ひとたび台風や豪雨に見舞われることによって、その表情を一変させることとなります。
 国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所防災情報課では、1級河川である多摩川の、想定される最大降雨での、堤防決壊や河川浸食などによる、周辺家屋の浸水や倒壊、流出が想定される地域として、「家屋倒壊等氾濫想定区域」を公表しています。
 これらの情報は、防災対策として非常に有益なものですが、浸水エリアなどを示すハザードマップなどは、私たちの様な視覚障害者にとっては、見ることが非常に困難です。触地図などを利用しながら丁寧な説明を受ける必要もあります。自らの居住地域の浸水リスクをあらかじめ知っておくことで、普段からの備え方も変わってくるものだと思われます。

3.
土砂災害危険個所についても、府中市のハザードマップに記載されています。土砂災害とは、土石流や地滑り、がけ崩れの3つに分かれていますが、府中市においては、土石流の危険個所と地滑りの危険個所はありません。
 市内には、「がけ崩れ」の恐れのある「急傾斜地崩壊危険箇所」が存在します。
傾斜度30度以上、高さ5メートル以上の急斜面で、崩壊した場合に、人家等に被害が生じるおそれのある箇所を指します。

★情報の入手★
1.
 住んでいる地域の災害リスクを知るための情報として、ハザードマップがあります。もちろんこれは、紙に書かれたものなので、視覚障害者にとっては見ることが非常に困難であることは言うまでもありません。
 最も有効なものは、自分の生活域を、防災関係者と実際に歩きながら丁寧に説明を受けることなのだろうと思います。
 触地図を作ることも手段の一つですが、これも渡されただけでは理解することは困難です。説明を受けながら地図を読まなければ意味がありません。

2.
 災害の警報などの情報を市民に一斉に知らせるシステムとして、防災行政無線があります。市内には、132か所設置されています。
 放送内容は、非常放送と一般放送があります。
 非常放送では、市民の生命にかかわる重要字体や大規模災害の発生や警報が発令された場合に放送されます。
 一般放送は、機器の点検も兼ねて、毎日午後と夕方に放送が流れています。(午後2時半の放送は、土日と、学校の休業期間は放送していません。)
 防災行政無線の音声が聞こえにくい場合には、以下のような対処の仕方があります。
電話で確認:
防災行政無線で放送した災害情報などが聞こえづらい場合は、24時間いつでも、次のフリーダイヤルで内容の確認ができます。
電話:0800-8000-606
メールで確認:
府中市メール配信サービスでも、災害情報などの情報を受け取ることができます。
屋内で確認:
2015年6月1日より、府中市では、J-COM(ジェイコム)と提携し、屋内に設置する専用端末により防災行政無線を屋内で聴くことができるサービスを開始しました。(有料)
詳しくは、
株式会社ジェイコム東京西エリア局
電話:042-301-8888
受付時間:午前10時から午後5時まで
定休日:火曜日、水曜日
までお問い合わせください。

3.
 ラジオ放送は、災害時にも強いメディアとして認識されています。東日本大震災の際には、地域のこみにゅてぃFMが地域密着型の情報配信を行い被災者の心の支えにもなっていたと耳にしています。
 NHKなどの広域放送のメディアでは、地域のきめ細かい情報を発信することは無理があることだと思いますが、地域密着型のFM局では、災害時にも力を発揮する者だろうと思われます。
 お隣の調布市や、武蔵野市では、コミュニティFM局が開局していますが、府中市においても、コミュニティFM局が開局することを切望します。

★要支援者名簿への登録★

府中市では、高齢者や障害者などで、災害発生時にその状況の把握や、避難行動に支援が必要な方を。地域の助け合いで支援してゆくために、“災害時要支援者名簿”を作成しています。これは、災害発生時だけでなく、地域の防災訓練などでも支援が必要な方に、どのような支援をすればよいのかということを、予め協議して置くためにも活用されるものです。
1.
災害時要支援者名簿に登録できる方は、災害時の避難に支援が必要で、自治会などへ個人情報を提供することに同意され、次のいずれかに該当する方です。
①75歳以上の高齢者のみで構成される世帯の方
②介護認定で要介護3~5の方
③身体障害者手帳1~3級の肢体不自由、1・2級の視覚障害のある方、精神障害者保健福祉手帳1~3級、愛の手帳1~3度をお持ちの方のみで構成される世帯の方
④高齢者や障害のある方で、日中は家族が不在で1人になるなど、上記①・②・③と同様の状況にあると認められる方
と、なっています。
 これは、自ら申し出なければ名簿に登録されません。障害者福祉課や高齢者支援課などに「府中市災害時要援護者登録届」を提出することで登録されます。
 名簿に登録するのと同時に、救急災害医療情報キットが配布されます。これは、医療情報や緊急連絡先などを記載しておき、自宅の冷蔵庫に保管して、避難行動時に取り出して活用します。
2.
 登録された方の名簿は、その人が居住する町内会や地区の民生委員に提供されます。その情報に基づき、個別に避難行動時に必要な支援方法を話し合い、地域住民で支援グループを構成することとなります。(個別計画)
 避難が必要な場合には、そのグループが安否確認を行い、救急災害医療情報キットを持ち出し、個別計画をもとに避難所に避難します。

※個別計画は、災害時に支援者が不在であるなどした場合には、駆け付けることはできません。また、救援に向かうことを絶対的な義務とするものではありませんので、お互いに臨機応変な対応をすることが求められます。

3.
平時においては、名簿登録をされた方の氏名、住所、電話番号が自治会(自主防災組織)に、提供されます。
また民生委員、社会福祉協議会、消防団、消防署、警察署、地域包括支援センター、地域生活支援センターには、氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、対象要件、加入自治会名が提供されます。
 これらの名簿提供先には、市との個人情報の取り扱いについての協定を締結し、個人情報保護の守秘義務が課せられています。
 また、これまでの災害時の教訓として、障害者などの災害弱者への、専門的な支援を行うために、様々な支援団体が個人情報を必要とします。そうした場合に備えて行政機関は、各々の障害の専門性を持つ支援団体などと、災害時の個人情報の提供について事前に協定などを結んでおく必要があるのではないかと感じています。

★避難場所や避難所の確認★
 地震やそれに伴う火災などで、その場にいることが危険であると判断した場合や、消防や警察などからの避難勧告や避難指示が出された場合などに一時的に非難できる安全な場所を避難場所と言います。
 そして、大地震などにより、家屋の倒壊や火災、または、ライフラインの寸断などで在宅での生活が不可能になった場合や、洪水などの危険が迫っているような際に、一時的に避難生活を送る場所が指定避難所です。

1.
 避難場所には、その規模や管理者、指定の方法などにより、地域避難場所・指定避難場所・広域避難場所の3つに分類されています。
①地域避難場所
公園や広場、神社などの境内を指します。家族や知人などが一時的に集まり、安否の確認など行い、次の避難行動など検討したり、指示を待ったりします。
②指定避難場所
 災害が発生もしくは、災害の危険が差し迫っているような場合に、解放される避難場所です。
 市立の小学校(22校)、中学校(11校)及び、都立高校(5校)、明星学苑が指定されています。
③広域避難場所
 大規模な延焼火災などを防ぐために必要な面積を有するオープンスペースとして、市が指定している場所です。広い公園や、大学のキャンパス、企業などの敷地が指定されています。大学や企業の敷地は、災害時に警察や消防の指示に従い、入ることとなります。
広域避難場所:
東京農工大学、府中の森公園、武蔵野公園、多磨霊園、武蔵野の森公園、朝日サッカー場、多摩川河川敷、東京競馬場、市民球場、市民陸上競技場、都立農業高校、武蔵台緑地、東芝府中工場、日本電気府中事業場、
が、指定されています。

2.
 大地震や洪水などで、家屋が損壊したり、在宅での生活が困難になる様な被害を受けた住民のために、一次的な生活の場として開設されるものが避難所です。
 一次避難所として、市立小学校(22校)、中学校(11校)が避難所として開放されることになっています。
 避難生活が長引き、介護が必要な高齢者や、配慮が必要な障害者に向けて、二次避難所としての福祉避難所が開設されることになっています
 二次避難所として指定されている施設は、中央文化センターをはじめとする各文化センターと、ルミエール府中及び、生涯学習センターの合計13か所となっています。

 日頃から、自宅から最寄りの避難場所や避難所の場所やルートなどを確認しておくことが必要です。

3.
府中市では、災害に備えて、「府中市避難所管理運営マニュアル策定ガイドライン」を策定し円滑な避難所解説が行えるように各施設管理者などと協議を行ってきました。
 避難所開設にあたり、視覚障害者にも、最低限の配慮がなされているかを再確認してゆく必要もあると思います。
 特に、情報の伝達方法や、個人スペースの確保については、配慮が必要になります。自分のことだけということでなく、周囲の方々にも迷惑が掛からないようにしたいものです。
 福祉避難所の開設についても、視覚障害の特性を十分に理解している者が、その運営や解説に関わっていることが求められますが、実際にそのような人材が確保されているかなどは、全くの未知数です。「府中市避難所管理運営マニュアル策定ガイドライン」の内容を私たち自身も検証し、改善点の指摘や提案をしてゆく必要があります。

参照資料として、府中市避難所管理運営マニュアル策定ガイドライン (PDF:1,796KB)をご覧ください。




[カテゴリー⑦ 視覚障害者と防災対策]
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視覚障害者の防災対策に関連するリンク集
1.
「目の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル」…東京都心身障害者福祉センター編

『目の不自由な方が大災害に備え適切な行動をとることによって、命を守り、必要な支援を受けられるための手助けになることを願ってこのマニュアルを作成しました。
このマニュアルを目の不自由な方に繰り返し読んでいただき、災害に対する心構えを知り、できることから準備を始めてください。
 「視覚障害」についてよく知らない周囲の方々に、目の不自由なことで災害時にどのようなことに困り、どのような支援や介助が必要なのかを自ら発信し、伝えるための参考にしていただけたら幸いです。
 あなたの大切な命を守るのは、あなただということを理解していただき、このマニュアルを活用してください。』
ALIGN="right"<東京都心身障害者福祉センターより>



ALIGN="left"
2.
視覚障害者だけでなく、様々な障害の特性に応じた「防災マニュアル」が、東京都心身障害者福祉センターのホームページに紹介されています。
防災のことを考えてみませんか  ~防災マニュアル(障害当事者の方へ)~東京都心身障害者福祉センター

3.
日本ロービジョン学会からも、見えない、見えにくい方のための災害対策リーフレットが発行されています。ダウンロードして自ら読んだり、周囲の方に理解を持ってもらうために配ったりするなどしてください。
日本ロービジョン学会:災害対策情報


4.
「災害時要援護者をみんなで守ろう」…東京都防災ホームページ
災害時要援護者名簿(避難行動時要支援者名簿)の活用で、自らの命を守る備えをしておきましょう。

5.
災害に備えて 東京都府中市ホームページ

6.
災害時要援護者名簿へご登録ください 東京都府中市ホームページ

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 私たちは、東京都府中市内に在住する、目が見えない、見えにくいという障害を持つ当事者とその家族、そして、様々なサポートをしていただいている方々で活動をしています。
 市内には、およそ500人余りの視覚障害者がいるとされています、その他にも、障害未満の“ロービジョン”の方々を含めると、その数はさらに増えることとなります。府中視覚障害者福祉協会(府中視協)は、府中市内で生活する、視覚障害者のQOL(quality  of life:生活の質)の向上と、障害への理解を深めていただくための活動、及び、障害を持つ当事者とその家族の親睦を図り、日常生活での悩みや困りごとを共有して、その解決を図るために会員相互で協力し合い、共助では、補いきれないようなことについては、市政や福祉に働きかけて私たちの暮らしに反映させてゆくことをモットーにしています。

 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

 私たち府中視協は、日々の活動を通して“障害が有る無しに関わらず、誰もがいつまでも安心して暮らし続けられるまちづくり”を、市民の皆様とともに、進めてゆきたいと思っています。
 もし、あなたの身近に、目が見えにくい、見えないことで悩んだり、困っているような方がいらっしゃいましたら、お声掛けをしていただき、私たち府中視協のことをお伝えください、また、私達とともに活動をしてみませんか?

 府中視協では、障害当事者やそのご家族で会員として一緒に活動したい方、ならびに一緒に活動を手伝っていただけるボランティアさんを募っています。
 バス旅行や、市内の歴史散策、盲卓球体験会など親睦行事のほか、視覚障害の理解をより深めるための講演会や、日常生活をより便利にするための講習会などを行っています。

 このブログでは、こうした活動の報告や、視覚障害をより知っていただけるような記事を綴ってゆきたいと思っています。