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3.災害対策[共助]

 大きな災害が発生した場合には、周囲の人たちが協力し合い避難行動や、避難所の運営を行うこととなります。地区の消防団や、町内会などの自主防災組織が中心となりそれらを行います。
 各町内会などでは、年に1度ほど防災訓練などを行っています。障害当事者が、そうした身近な防災訓練に参加することで、自らの障害の程度を周囲に周知させておくことが、災害発生時の適切な支援につながるのだと思います。
 また、地区での防災訓練には、行政で収集している高齢者や障害者などの避難行動要支援者名簿に基づいて、その当事者に対しての個別の支援方法をお互いに話し合って決めておくことが理想とされています。これは、避難行動の「個別計画」の作成として、行政からも推奨されているものです。

 理想としての共助は、以上の一言に尽きるのだろうと思われますが、実際の都市型生活においては、普段のコミュニケーションが希薄になってしまいがちです。
 自らの障害というデリケートなことを、周囲にさらしてしまうということに、強い抵抗を感じてしまう人もいるかもしれません、また、逆に周囲の人が、障害についていろいろと、本人に問い合わせることに躊躇してしまうということもあるのかと思います。
 しかし、このようなちょっとした壁が、防災対策だけに関わらず、日常での障害に対する、無理解や偏見を生みだしてしまうことにもつながってしまいます。例えば、白杖は、足元の状況を知るためについていますが、ごくまれなことではありますが、足が不自由なために杖を突いていると思い込んでいるような人も存在します。こういう人は、座席を譲ることはあっても、肩を貸す(歩行のガイド、手引き)ことは、思いつきません。また、白杖で地面をつついて歩いていることに「うるさい」と文句を言われたという事例も耳にしたことがあります。これも、白杖の意味や使い方を知らないことによるものなのでしょう。これらは、悪気があってのことではないと思います。ただ、「知らない」ということが、お互いの誤解を招いてしまうのではないでしょうか。

 こうした日常の些細な無理解や誤解をなくしてゆくことが、防災対策だけでなく、平時からの共助によるノーマライゼーション社会の実現にもつながってゆくものだろうと思います。

私たち(★視覚障害当事者)からのお目買い。★
<以下は、東京都心身障害者福祉センターより出されている、『目の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル』から引用しています。>

引用


1 大規模な災害が起こると、目の不自由な方はどんなことに困るのでしょうか

■周囲の情報が入らず、適切な判断につながりません。
■被害状況がわからないため、避難場所に一人で移動することは困難です。
■建物に閉じ込められた時に捜索者の存在に気づかず、救出につながりにくくなります。
■体育館のように、広くて大勢の人がいる避難所では、一人で動くことができません。
■白杖、音声時計、視力を補うための特殊レンズなどの入手が困難になります。
■断水になると、手を洗うことや特殊コンタクトレンズを清潔に保てません。
■弱視の場合、障害(見え方)の状況がうまく説明できないために誤解され、避難所で孤立してしまうことがあります。


東日本大震災では・・・ 「仮設トイレの使い方や断水時の使用方法など、トイレのことで困った」という声がとても多くありました。
その他には「いつも服用している薬や点眼薬の名前がわからず、薬が手に入らなかった」
「音声時計などがなく、時間の確認が困難だった」
「掲示物からの情報が入らなかった」
「自宅が無事だったものの、食料や水を備蓄していなかったために避難所に行ったが、誰もが混乱してサポートをお願いできる状況ではなかった」という方もいました。

2 支援してくださる方へお願いしたいこと    

東日本大震災では、近隣の方の手助けが大切な命を救う大きな力となりました。
目の不自由な方は、自分から支援を頼める人をみつけることができません。
声だけでは、相手が誰か判別することができないこともあります。
支援者から名前を名のり、「お手伝いできることはありますか?」と声をかけてくださることが大切です。

(1)日ごろの支援について 
 ・近所に住む目の不自由な方やその家族と交流を図り、コミュニケーションをとっていただけると、目の不自由な方が助けを求めたい時、支援依頼がスムーズにできるようになります。
・地域の防災訓練などへ、目の不自由な方やその家族の参加を呼びかけてください。
災害時の支援方法などについて、事前に話し合っておくことはとても大切なことです。

(2)誘導(移動の手伝い)する時                     
・どのように誘導すればよいか、目の不自由な方に確認してください。
・支援者の肩や肘などにつかまってもらい、支援者が半歩前を歩いてください。
・どこを歩いているのか、道路や周囲の危険箇所などを伝えながら誘導してください。
・目の不自由な方から離れる時は、本人の立っている場所とどの方向に何があるのかを説明し、安心してつかまっていられるものがある場所や座れる場所で誘導を終了してください。
(視覚障害者に方向を示す際には、時計の文字盤の方向を示してください。例えば、右斜め前方であれば、「2時の方向」と伝えてください)
※盲導犬ユーザーの場合も、これと同様の方法で誘導してください。
※目の不自由な方の腕や白杖をつかんだり、ひっぱったりすることや肩や背中を後ろから押して誘導しないでください。

(3)避難所で                                
・現在いる場所や周囲の位置関係が把握しやすい場所で過ごせるよう配慮してください。(例えば「入口近くの右の隅」)トイレに行きやすい場所であることも重要です(例えば「壁伝いに移動できる場所」)。
・初めて利用するトイレへの誘導を頼まれたら、トイレの入り口ではなく個室まで案内し、水の流し方、便器の向き、トイレットペーパーの位置など中の様子を説明してください。
・掲示物は、必ず読み上げてください。
・必要な食料や救援物資などが手渡しで届くように配慮してください。
・盲導犬ユーザーと盲導犬が一緒に過ごせること、盲導犬の排泄場所について配慮してください。
・申込書などの記入を頼まれた時は、必要に応じて代筆をお願いします。

<引用ここまで>
以上の文書のイラスト入りWord版ファイルを、「目の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル」…東京都心身障害者福祉センター編よりダウンロードできます。





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視覚障害者の防災対策に関連するリンク集
1.
「目の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル」…東京都心身障害者福祉センター編

『目の不自由な方が大災害に備え適切な行動をとることによって、命を守り、必要な支援を受けられるための手助けになることを願ってこのマニュアルを作成しました。
このマニュアルを目の不自由な方に繰り返し読んでいただき、災害に対する心構えを知り、できることから準備を始めてください。
 「視覚障害」についてよく知らない周囲の方々に、目の不自由なことで災害時にどのようなことに困り、どのような支援や介助が必要なのかを自ら発信し、伝えるための参考にしていただけたら幸いです。
 あなたの大切な命を守るのは、あなただということを理解していただき、このマニュアルを活用してください。』
ALIGN="right"<東京都心身障害者福祉センターより>



ALIGN="left"
2.
視覚障害者だけでなく、様々な障害の特性に応じた「防災マニュアル」が、東京都心身障害者福祉センターのホームページに紹介されています。
防災のことを考えてみませんか  ~防災マニュアル(障害当事者の方へ)~東京都心身障害者福祉センター

3.
日本ロービジョン学会からも、見えない、見えにくい方のための災害対策リーフレットが発行されています。ダウンロードして自ら読んだり、周囲の方に理解を持ってもらうために配ったりするなどしてください。
日本ロービジョン学会:災害対策情報


4.
「災害時要援護者をみんなで守ろう」…東京都防災ホームページ
災害時要援護者名簿(避難行動時要支援者名簿)の活用で、自らの命を守る備えをしておきましょう。

5.
災害に備えて 東京都府中市ホームページ

6.
災害時要援護者名簿へご登録ください 東京都府中市ホームページ

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 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

 私たち府中視協は、日々の活動を通して“障害が有る無しに関わらず、誰もがいつまでも安心して暮らし続けられるまちづくり”を、市民の皆様とともに、進めてゆきたいと思っています。
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