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2.災害対策[公助]

 災害の規模に応じて、国や都道府県、市区町村などの行政機関では、防災対策基本計画などを策定して、地域住民の生命、財産の保護に努めなければなりません。想定される災害は、大地震の他にも台風などの豪雨災害や、火山の噴火などあらゆる災害を想定しています。
 地震による災害の軽減のための都市の耐震化や、津波対策としての防潮堤の整備などは、災害による被害を最小限に軽減するためのものです。このように、公助とは、地域全体の防災対策を指すこととなります。その中で障害者に対する配慮とはなんであるかということを、私たち自身が考え、提言してゆく必要があります。

 例えば、住んでいる地域の災害リスクについての情報などについては、防災ハザードマップが配布されていますが、眼が見えなければ、地図だけ渡されても見ることができません。実際に周辺を、防災担当者などと歩くなどして、周囲の状況を把握する必要があります。

 避難場所や避難所における視覚障害者等への配慮とはどういうものが必要となるのかということも、予め想定しておく必要もあります。避難場所への誘導や、情報告知の方法など障害に応じた配慮が必要となります。こうしたことは、平時からの防災訓練などで習慣的に行われていなければ、有事になってから行えるものではありません。
 こうしたことから、地域の防災訓練などの実施の際には、行政の側からも、訓練主催主体に対して、地域の障害者の参加を促すような、働きかけも必要だろうと思います。

 避難生活が長引くような場合には、高齢者や障害者に対応できるような、福祉避難所が開設されることになっています。こうした避難施設が、福祉避難所として機能するためには、そこに、設備が整っているということだけでなく、障害の特性を理解している支援者が必要になります。被災した場合には、このような人材の確保も課題となると思われます。

 このような行政の役割の裏付けとなるものが、“避難行動要支援者名簿”となります。避難行動時に支援や介助を必要とする高齢者や障害者の情報を、消防や、町内会などの自主防災組織などと、その情報を共有することで、災害発生時に速やかに救護活動ができるようにするという目的があります。
 この名簿は、万が一に備えて準備されるものですが、平時での防災訓練などでも、名簿掲載者の同意のもとに、消防や自治防災組織等に共有され、実際の防災訓練などにも活用できるようになっています。
 このように、“避難行動要支援者名簿”は、公助と共助を結びつけるためにも重要な役割を果たすものとなります。障害当事者の私たちも、名簿の作成や運用に積極的に、理解を示してゆく必要もあると思われます。




[カテゴリー⑦ 視覚障害者と防災対策]
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視覚障害者の防災対策に関連するリンク集
1.
「目の不自由な方のための災害時初動行動マニュアル」…東京都心身障害者福祉センター編

『目の不自由な方が大災害に備え適切な行動をとることによって、命を守り、必要な支援を受けられるための手助けになることを願ってこのマニュアルを作成しました。
このマニュアルを目の不自由な方に繰り返し読んでいただき、災害に対する心構えを知り、できることから準備を始めてください。
 「視覚障害」についてよく知らない周囲の方々に、目の不自由なことで災害時にどのようなことに困り、どのような支援や介助が必要なのかを自ら発信し、伝えるための参考にしていただけたら幸いです。
 あなたの大切な命を守るのは、あなただということを理解していただき、このマニュアルを活用してください。』
ALIGN="right"<東京都心身障害者福祉センターより>



ALIGN="left"
2.
視覚障害者だけでなく、様々な障害の特性に応じた「防災マニュアル」が、東京都心身障害者福祉センターのホームページに紹介されています。
防災のことを考えてみませんか  ~防災マニュアル(障害当事者の方へ)~東京都心身障害者福祉センター

3.
日本ロービジョン学会からも、見えない、見えにくい方のための災害対策リーフレットが発行されています。ダウンロードして自ら読んだり、周囲の方に理解を持ってもらうために配ったりするなどしてください。
日本ロービジョン学会:災害対策情報


4.
「災害時要援護者をみんなで守ろう」…東京都防災ホームページ
災害時要援護者名簿(避難行動時要支援者名簿)の活用で、自らの命を守る備えをしておきましょう。

5.
災害に備えて 東京都府中市ホームページ

6.
災害時要援護者名簿へご登録ください 東京都府中市ホームページ

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 私たちは、東京都府中市内に在住する、目が見えない、見えにくいという障害を持つ当事者とその家族、そして、様々なサポートをしていただいている方々で活動をしています。
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 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

 私たち府中視協は、日々の活動を通して“障害が有る無しに関わらず、誰もがいつまでも安心して暮らし続けられるまちづくり”を、市民の皆様とともに、進めてゆきたいと思っています。
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