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幼児、小児におけるロービジョン


(はじめに、ここでのロービジョンという表現については、学術的なロービジョンを超えて、低視力も含めて「ロービジョン」と表現します。)

 子どもの眼の見え方については、就学前検診や、学校等での視力検査で判明することが多いと思います。眼科での診断を経てから、眼鏡やコンタクトレンズを作り、矯正視力で生活を送ることとなります。
 矯正視力での日常生活や、学校生活で不自由を感じない程度の状態であれば、定期的な眼科検診を受けながら、経過観察をしてゆくこととなります。
 しかし、ここで見落としてほしくないことは、日常生活での見え方と、学校での見え方、そして、眼科での診察室での見え方は、その時の子どもの状態によって、大きく異なるということです。これは、子ども自身でその違いを表現できるものでもありません。
 一般的な眼科では、医療的に視力を挙げてゆく(眼鏡やコンタクトレンズの処方など)が主体となっていますが、見えにくさ(ロービジョン)を改善してゆくためには、ルーペや、拡大読書器などを活用した見やすくする配慮も必要になります(ロービジョンケア)。子ども自身では、「見えにくさ」ということを周囲に訴えたり、配慮を求めたりすることができません。それは、生まれついた時から見えている世界が自分の世界であり、それに順応しているということと、成長とともに、周囲の者より見えていないということを自覚してゆき、それをコンプレックスに感じてしまうことがあります。また、見えにくさを改善してゆく手段についても、自身で見つけることは非常に困難なことです。保護者の方や学校でも、視力を補うための様々な手段について情報を収集して、低視力や、ロービジョンの子どもたちにそれを提案、提供してゆくべきであると思います。

★学校での低視力児童、生徒への配慮★
 近年、近視などの低視力の子どもが増加している。ということが、文部科学省からも発表されています。特に、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても十分な視力(概ね0.6未満であろうと思われますが、見えにくさは、個人差でもあるので、視力の数値だけで区切ることはできないものです。)が得られないという場合には、学校生活での十分な配慮が求められます。これまででも、教室での座席を前の方にすることや、教室の明るさに気を配ってもらうなどのことは行われていることですが、はたして、それだけでよいのでしょうか。
 拡大文字の教科書や、電子ルーペなどの拡大読書器などを使うことで、見えにくさを補うことができます。これは、見えにくいということで、授業の内容が理解できなかったり、試験問題を読む際に時間がかかり、わかっているにもかかわらず回答できなかったりするなど、これらは明らかに、「見えにくい」という障害が、教育を受ける均等な機会を阻害しているものであり、そこに“合理的配慮”を求めることは、ごく当然のことであるはずです。合理的配慮というものは、法的に認定された障害者だけに提供されるものではなく、軽度、もしくは、一時的に身体機能の低下により障害のある状態になっている者に対しても提供されるべきものです。
 特に、子どもの場合には、自ら見えにくさを訴えたり、それに対する配慮を求めるすべを持っていません。教師や保護者が、それに気が付き、どのような配慮を与えられるのかを十分考慮する必要があります。

★盲学校への就学★
 おおむね、両眼の矯正視力が、0.3以下の場合には、盲学校や、特別支援学級での就学要件に該当することとなります。最近は、視覚に障害が有っても、普通学校に通わせている例も増加しているようです。これについては、親御様の考え方を尊重することになりますので、外の者が口をはさむことではないと思いますが、そこで学ぶ子供が、十分な力を発揮できるような環境が作られることを求めてゆく必要があります。
 盲学校には、見えにくいことに配慮するノウハウが豊富にあるのだろうと思われます。見えにくい目を持って生まれてきたからこそ、様々な選択肢があるという視野に切り替えて、子どもの見えにくさに最適な学習環境を選んでほしいと思います。

※小児の弱視、斜視および先天白内障術後の屈折矯正の治療用として用いる眼鏡およびコンタクトレンズ(治療用眼鏡等)が、療養費支給対象となりました。

平成18年4月1日より、上記の治療用眼鏡について健康保険の対象となり、自己負担割合以外の金額を療養費支給として償還払いを受けることができるようになりました。
 対象となるのは、9歳未満の小児で、上記の治療用眼鏡です。一般的な近視などに用いられる、眼鏡や、コンタクトレンズは対象になりません。
 患者様が全額自己負担で「治療用眼鏡等」を購入した後に、下記の書類を加入する健康保険の組合窓口等に提出し、療養費支給申請することによって、患者様負担割合以外の額が国で定めた交付基準の範囲内で保険給付されます。
 申請に必要な書類
1.療養費支給申請書(加入している健康保険組合窓口等にあります)
2.眼科医の「治療用眼鏡等」の作成指示書の写しおよび患者様検査結果(眼科医から発行されます。)
3.購入した「治療用眼鏡等」の領収書

※眼鏡、コンタクトレンズの補装具申請
視覚障害の身体障碍者手帳を持つ者には、矯正眼鏡や、遮光眼鏡、弱視用眼鏡及び、コンタクトレンズを補装具として支給を受けることができます。
 支給には、本人やその世帯の収入などにより、自己負担額がある場合や、支給の対象とならない場合があります。
 詳しくは、市役所の障害者福祉課へお問い合わせください。


補装具についての問い合わせ先:
府中市役所 障害者福祉課
電話:042-335-4162
ファックス:042-368-6126

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 私たちは、東京都府中市内に在住する、目が見えない、見えにくいという障害を持つ当事者とその家族、そして、様々なサポートをしていただいている方々で活動をしています。
 市内には、およそ500人余りの視覚障害者がいるとされています、その他にも、障害未満の“ロービジョン”の方々を含めると、その数はさらに増えることとなります。府中視覚障害者福祉協会(府中視協)は、府中市内で生活する、視覚障害者のQOL(quality  of life:生活の質)の向上と、障害への理解を深めていただくための活動、及び、障害を持つ当事者とその家族の親睦を図り、日常生活での悩みや困りごとを共有して、その解決を図るために会員相互で協力し合い、共助では、補いきれないようなことについては、市政や福祉に働きかけて私たちの暮らしに反映させてゆくことをモットーにしています。

 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

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