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視覚障害者の就労②(広がる可能性)


 かつては、視覚障害者の職業としてあん摩マッサージ指圧、はり、灸の免許を取り就労する者も多くいましたが、最近では、IT機器を活用したICTの発達により、盲学校や大学を卒業し、一般企業の事務職に就職することもできるようになりました。
 視覚障害者が事務系職種に就く場合には、パソコンで画面の文字を読み上げたり、入力文字の読み上げをしたりするソフトを使います。ワードやエクセル、メールの送受信なども普通に使うことができます。(視覚障害とICT:参照
 さらに、ビジネスパソコンのスキルを上げるために、視覚障害者就労生涯学習支援センター(東京都世田谷区)では、新卒者や在職中に視覚障害となったものに対しての訓練、講習を行っています。
 視覚に障害が有っても、パソコンを使えばおおよそのことはできますが、見えなければ画像編集やデザイン、紙面レイアウトなど、どうにもならないこともあります。そういう場合には、職場適応援助者(ジョブコーチ)や、重度障害者への職場介助者などによる支援が行われます。これらの支援は、障害者雇用促進法に基づく助成金の対象になります。

★若い開拓者たち★
 視覚に障害を持つ若者たちは、かつて杉山検校が考案した“鍼管”を、パソコンなどのIT機器に持ち替えて、健常者と同じ社会に挑戦しようとしています。そして、訓練施設などでビジネススキルをつけて就職活動に臨んでいます。
 雇用する側の企業にとっては、視覚障害者にどのような仕事をさせればよいのかわからない、ということもあるようです。また、通勤は、どのようにするのか、などと思われることもあるようですが、「できること」については、現代のICTを駆使することで克服できることは述べてきたとおりです。
 通勤については、しっかりと歩行訓練を受けたり、盲導犬を利用したりすることで通勤は可能になります。また、ジョブコーチや職場介助者を配置することに対しての助成金制度なども障害者の雇用の後押しをするものとなります。

★在職中の中途視覚障害(就労の維持)★
 働き盛りの年代で、突然、眼の疾患などで視覚に障害を負うと、目の前のものが見えづらくなるなるだけでなく、将来の見通しも見えなくなってしまうということがあると思います。そういう時は、まず眼の治療を優先することはもちろんですが、同時にロービジョンケア(カテゴリー④ロービジョンについての記事を参照)による残存視力の活用法を会得し、現在の職の維持を前提として支援の相談をすることになります。
 企業側には、視覚に障害が有っても業務に多大な支障が出ない限りは、一方的な配置転換や降格など不当な扱いをすることは禁じられています。在職しながら、職能センターなどで研修を受けることができるような配慮も必要です。パソコンを使う業務においては、よほど高度なものでない限り一般事務においては、必要な配慮を行えば遂行できることはここまで述べて来たとおりです。
 「見えにくい」という悩みは、一人で悩まずに、下記に示すような機関に相談することをお勧めします。親身になって企業との仲介役も担ってくれるはずです。

【各種相談、支援機関】
障害者の職業訓練を行っている施設
国立施設
国立職業リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)
国立吉備高原職業リハビリテーションセンター(岡山県)

民間施設
社会福祉法人 日本盲人職能開発センター東京都新宿区)視覚障害者向けのパソコンの訓練や、就業っ環境の改善などの相談を受け付けています。
社会福祉法人 日本ライトハウス(大阪市)

障害者の就職支援を行っている施設や機関
視覚障害者就労生涯学習支援センター(東京都世田谷区)では、視覚障害者のパソコンスキルの向上のための講習や、視覚障害学生の就職活動支援、などを行っています。
公益財団法人 東京しごと財団 障害者就業支援事業(東京都千代田区)
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構では、障害者の雇用に関する各種助成金の申請を受け付けています。
その他、相談支援
中途視覚障害者の復職を考える会(通称:タートルの会)(事務局:日本盲人職能開発センター内)

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 私たちは、東京都府中市内に在住する、目が見えない、見えにくいという障害を持つ当事者とその家族、そして、様々なサポートをしていただいている方々で活動をしています。
 市内には、およそ500人余りの視覚障害者がいるとされています、その他にも、障害未満の“ロービジョン”の方々を含めると、その数はさらに増えることとなります。府中視覚障害者福祉協会(府中視協)は、府中市内で生活する、視覚障害者のQOL(quality  of life:生活の質)の向上と、障害への理解を深めていただくための活動、及び、障害を持つ当事者とその家族の親睦を図り、日常生活での悩みや困りごとを共有して、その解決を図るために会員相互で協力し合い、共助では、補いきれないようなことについては、市政や福祉に働きかけて私たちの暮らしに反映させてゆくことをモットーにしています。

 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

 私たち府中視協は、日々の活動を通して“障害が有る無しに関わらず、誰もがいつまでも安心して暮らし続けられるまちづくり”を、市民の皆様とともに、進めてゆきたいと思っています。
 もし、あなたの身近に、目が見えにくい、見えないことで悩んだり、困っているような方がいらっしゃいましたら、お声掛けをしていただき、私たち府中視協のことをお伝えください、また、私達とともに活動をしてみませんか?

 府中視協では、障害当事者やそのご家族で会員として一緒に活動したい方、ならびに一緒に活動を手伝っていただけるボランティアさんを募っています。
 バス旅行や、市内の歴史散策、盲卓球体験会など親睦行事のほか、視覚障害の理解をより深めるための講演会や、日常生活をより便利にするための講習会などを行っています。

 このブログでは、こうした活動の報告や、視覚障害をより知っていただけるような記事を綴ってゆきたいと思っています。