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鉄道駅の安全性[府中市内の駅]

 平成28年8月15日に、東京メトロ銀座線、青山1丁目駅において、盲導犬を連れた視覚障害の男性が、ホームから転落し、電車にはねられ死亡するという痛ましい事故が発生しました。ホームドアが設置されていれば防げた事故だったのではないかということで大きく報道され、ホームドア設置基準の見直しなど改めて問い直すきっかけとなりました。
 府中市議会においては、この事故の後に開かれた、第3回定例議会一般質問(9月6日)でも府中市内の駅の安全対策についての質問が行われました。
 府中市内には、3事業者4路線の駅がありますが、その各駅について、視覚障害者に対する危険性や、安全対策について、市として把握しているのかという質問については、市としては、個々の事例は把握していないが、危険度の認知や、安全対策については、各鉄道事業者が自主的に行うべきことと認識しているとのことでした。

 府中市内の駅における、ホームドアの設置の見込みについては、ホームドアの設置を優先的に行う駅は、1日の乗降者数が10万人以上の駅とされているため、市内の駅については、それに該当するものがないため、〈府中駅:86,949人 分倍河原駅:91,900人(2015年)〉すぐにホームドアが設置されるという見込みはないとのことでした、設置が困難な理由については、多額の設置費用や、ホームの構造的強度不足、停車位置をホームドアに正確に合わせるため、ホームへの進入速度を抑えなければならないということによる、運行ダイヤの遅延など、鉄道事業者の過大な負担となることが最大の課題になります。

 このようにホームドアの設置については、非常に困難であることから、現実的な安全対策としては、ホームへの駅員や警備員の十分な配置が求められますが、それに加えて一般の乗降客も視覚障害者を見かけたら、注意を払ってほしいということも啓発してゆくとのことでした。

 市議会一般質問では、実際に当会の会員と議員さんが市内の駅の危険個所を確認してきた場所についても指摘されました。
 特に危険と指摘された駅は、JR南武線、分倍河原駅上り(川崎方面)ホームで、エレベーターを出たすぐ目の前に柱があり、衝突してしまう危険がある。ところと、府中本町駅の南武線上り(川崎方面)ホームで、ホーム端の点字ブロックにホーム屋根の柱が10cm程度まで寄っているところがあり、こちらも柱に衝突する危険がある。という箇所が指摘されました。
JR南武線、分倍河原駅上り(川崎方面)ホーム、エレベーターに近接する柱(画像)

[写真説明]分倍河原駅、JR南武線上りホーム、エレベータから出て10mもいかないところで、点字ブロックと柱が接触しているところ。

分倍河原駅、JR南武線上りホームの電車との間が大きく空いているところ。(画像)

[写真説明]JR南武線、分倍河原駅上りホームの、ホームと電車の間が広く空いているいるところ。

JR南武線、府中本町駅、上りホーム(川崎方面)の点字ブロックに柱が食い込んでいる写真(画像)

[写真説明]JR南武線府中本町駅、上りホーム(川崎方面)の点字ブロックに柱が食い込んでいる写真

柱の点字ブロックへの食い込み具合を測っている(14センチ食い込み)の写真(画像)

[写真説明]柱の点字ブロックへの食い込み具合を測っている(14センチ食い込み)の写真です。


 視覚障害者が歩行中にふいに障害物などにぶつかると、方向感覚を失い、ホームへの転落の危険性が増します。
 改善策としては、柱を移動することは不可能なので、柱に衝撃防止のラバーを巻くなどの対策が必要になります。また、点字ブロックを柱を避けるように「コ」の字型に敷設することも検討すべきと思われます。しかし、コの字型にした場合には、急に方向が変わることで方向感覚を失うという視覚障害当事者の意見もあります。

 また、南武線の分倍河原駅は、ホームも狭くカーブにかかっているところもあり、ホームと電車の間がとても広くなっているため、特に注意が必要になる駅です。
 柱の位置やカーブなど構造的に危険なものについては、容易に改善することは不可能でしょうが、何らかの大規模改修が行われるようなときには、十分な安全対策が講じられることを望みます。

 さらに、市内の駅ホームの点字ブロックの敷設状況では、ホームの内側を示す“内方線”の付いていない駅として、JR武蔵野線、北府中駅と、西武多摩川線の多磨駅を除く全駅
が、指摘されていました。

 このように、市内の鉄道駅の現状が、市議会で質問されました。市側の答弁では、ホームなどの駅の構内は、鉄道事業者の管轄であり、市としては、具体的な危険箇所の指摘を受ければ、改善の要望を事業者に出すが、基本的には、鉄道事業者が主体的に行うものであるという姿勢でした。
 これをうけて、多くの市民が利用する鉄道駅も公共施設であるので、市民の安全の確保という観点からも、危険個所を把握し、積極的に関連事業者に改善を働きかけ続けてほしい、ということで締めくくられました。
[平成28年 第3回定例議会(9月6日) 赤野 秀二(あかの しゅうじ)議員、一般質問より]




 視覚障害者が安全に鉄道を利用するためには、施設の整備や、駅員のホーム配置などだけでは間に合いません。駅を利用する乗降客の皆様にもご理解とご協力が必要です。声掛けをいただくほかにも、点字ブロックの上に荷物を置いたり、スマホを見ながら歩いたりすることは、非常に危険なことです。何気ない普段の行為が、思わぬ事故を引き起こすこともあります。日ごろからの注意喚起が必要だと思われます。

【駅員さんのリレー介助】
 私(筆者)が、羽田空港から府中に帰るときのことです。京急から、都営浅草線、新宿線に乗り換えて京王線直通で府中駅に向かうことにしました。
 京急羽田空港駅で、改札から乗車までの介助を受け、経路を伝えておきました。
 羽田空港を出発した電車は、泉岳寺から都営浅草線に直通し、東日本橋で都営新宿線に接続します。東日本橋駅では、京急から連絡を受けていた、都営地下鉄の職員さんが、東日本橋駅ホームから、新宿線の馬喰横山駅ホームまで介助をしてくれました。馬喰横山から京王線直通の橋本由紀に乗車し、明大前では、京王の駅員さんが、出迎えていて、府中方面の電車への乗り換えを手助けしてくれました。府中駅に到着するとここでも駅員さんが降車ドアの前にいて、ホームから改札口まで解除してくれました。
 羽田空港から府中駅まで3つの鉄道事業者、4つの路線で、とてもスムーズにリレーしてもらえたことに感謝するとともに、3つの鉄道事業者間の連携の良さに新鮮な感動を受けました。



京急600形(画像)から、京王9000系(画像)の、介助のリレーに感謝!

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 視覚障害とは、単に、目が見えない、見えにくいということだけではなく、そのことにより、日常生活や、就労、就学などにおいて、様々な制約や不利益など、社会的障壁によって生じることによる障害であるといえます。

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